高所での手戻り作業80%削減!ベテラン鳶職長が導入を決めた地上でのデジタル作戦会議
導入企業(仮名)
C工業株式会社 様
- 業種: とび・土工工事業
- 事業内容: 足場の組立・解体、鉄骨建方、重量物運搬据付
- 導入現場: 地上20階建て 複合商業ビル新築工事現場
導入背景
同社は、熟練の鳶職長が率いるチームの高い技術力を誇りとしていた。しかし、近年、建築物のデザインが複雑化し、足場や鉄骨の組立図も極めて難解になっていた。二次元の図面だけでは若手が構造を直感的に理解しきれず、高所での作業中にミスが発覚することもあった。高所での手戻り作業は、地上での数倍の危険と時間を要するため、同社は「地上でミスを撲滅する」ことを最重要課題とし、新たな情報共有ツールとして「モニまる」の導入に踏み切った。
抱えていた課題
職長を務めるK様は、この道25年以上の大ベテラン。自身の経験と目で図面を読み解き、的確に指示を出すことに絶対の自信を持っていましたが、チーム全体の安全と効率を考えると、いくつかの課題を感じていました。
- 複雑な図面の解読ミス 紙図面では構造が分かりにくく取り付けを誤った。
- 危険な高所での手戻り作業 高所での修正は危険で工期ロスに繋がった。
- 安全への慣れ(マンネリ化) 繰り返し作業で安全意識が低下しヒヤリハットが発生した。
- 突発的な天候変化への対応 強風の急変を即時共有できず安全確保が難しかった。
モニまる導入による解決策
「親方、これなら俺でも分かります」。若手が指さしたのは、タブレットに映る3Dモデルでした。K様は「現場は体で覚えるもんだ」という信念を持ちつつも、若手の安全を想い、地上詰所に「モニまる」を設置。「高所に上がる前の、地上でのデジタル作戦会議」を導入しました。
- 組立手順の3Dビジュアル化 足場や鉄骨を3D表示し、複雑な構造を直感的に理解した。
- 作業手順のステップ表示 写真や図で分解手順を示し、作業を標準化した。
- リアルタイムでの気象アラート 風速計と連携し、強風時に警告を出して作業を中断した。
活用方法
- 3D作戦会議による朝礼 作業範囲の3Dモデルを共有し、難所や手順を視覚的に指示した。
- 危険予知(KY)活動での活用 事故事例を映し出し、危険を自分事として考えさせ安全意識を高めた。
- 地上からの遠隔指示 図面や写真を指し示し無線で伝え、高所作業との指示漏れを防いだ。
導入効果
- 高所での手戻り作業が80%以上削減 事前確認を徹底し、高所での組立ミスを防いだ。
- 組立作業のスピードが15%向上 若手が迷わず作業でき、全体の効率が上がった。
- 安全性の向上 気象アラートと視覚的注意喚起でヒヤリハットが減少した。
- 若手の成長促進 3Dで構造を理解し、図面読解と技術習得が早まった。
お客様の声
(職長 K様 29歳)
鳶の仕事は図面を頭に叩き込んで、現場で一寸の狂いもなく組み上げることと教わったので、自分の目と腕だけを信じてやってきました。ですがある日図面通りに組み上げていたところ、本数が足りなくなっていたんですよ。同期に確認したら今朝変更があったと。今まで自分を信じていたのでだいぶヘコみました。そんな同僚に電子黒板の話をされたんです。導入するのに抵抗はありましたが、いざ使ってみると足りなかったピースがハマったような感覚になりましたね。
今後の展開
今後は、ウェアラブルカメラを導入し、高所で作業する若手の目線映像を地上の「モニまる」にリアルタイムで表示させることを検討しています。これにより、K様のようなベテランが地上にいながら、高所の若手に対して、より具体的で緻密な技術指導や安全確認を行える体制を構築していきたいと考えています。
